「カルガラ」は焦らしの名手

400年もの昔、シャンドラの魔物と恐れられた大戦士、カルガラ。空島編の過去話に登場し、読者の涙腺を刺激した男について見ていきます。

彼の名前が初めて登場したのは、第249話。戦鬼ワイパーの口から、「シャンドラの灯をともせ」というカルガラの言葉とともに、その存在を教えられます。その後、シャンディア達は自分達の故郷を取り戻すために戦っている、ということが明らかになり、ひとまずは空島のサバイバルは三つ巴の戦いなんだと納得できました。その時点で私は、カルガラの言葉は故郷奪還の象徴的な文言なのかな、と思うくらいでした。

ところが第276話になって、過去、現酋長がワイパーに、カルガラが戦うもう一つの理由を明かしていたことがわかります。麦わらの一味VS.神の軍団の戦いに、第三者的に関わっていたように感じられたシャンディア達の存在が、大きくなろうとしていました。

満を持して過去パートに移り、カルガラが登場したのが第286話。現在の空島の戦いはもうクライマックス直前だ、と誰もが察すことのできるタイミングででした。この「焦らし」は、最終楽章に向けて空島編がどんどん盛り上がっていく形に、大きな役割を果たしていると思います。

カルガラやノーランド達の過去話は、ルフィの仲間の過去を語るものではなく、ワンピースの中でもかなり特殊です。それにもかかわらず、8話にわたり描かれるという大ボリューム。物語全体の一部とはいえ、一つの別のお話のようなものに巻の3分の2ほどを使っているわけですから、本当に思い切った構成だと思います。ワンピースが十分に成熟した物語になったからこそ、できたことではないでしょうか。

話が少しそれてしまいましたが、その過去話の中でも、カルガラは焦らしてくれました。地面に挟まれもがくノーランドと本音をぶつけ合う(ムースが自分の娘だと告白するのも含む)、ノーランドと和解する、いずれもかなりギリギリのタイミングです。大戦士と呼ばれる彼にも不器用なところがあり、自分の思いをうまく相手に伝えるのは、あまり得意ではないのかもしれません。ワイパーも彼の血を引くだけあって、似たようなところがありますね。

登場自体で焦らし、登場してからも焦らしてくれたカルガラ。だからこそ、空島編のストーリーがより感動的になったといえるでしょう。娘との抱擁、ノーランドとの別れ、少年ワイパーと酋長とのやり取りなど、何度読んでもウルっと来てしまいます。誇り高き大戦士カルガラ、感動をありがとう!

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

にほんブログ村バナー

ブログランキング・にほんブログ村へ

スポンサーリンク
スポンサーリンク