ワンピース屈指の悪役、「アーロン」

魚人海賊団アーロン一味の船長、アーロン。(個人的にですが)作中屈指の憎きキャラとして今もなお君臨する彼について、見ていきたいと思います。

彼の悪行については、ここで挙げるまでもありません(書いていて辛くなるだけということもあります)が、とにかくナミからあらゆるものを奪っていきました。第9巻は今もなお手に取りづらい一冊となっています。

ワンピースの中には様々な敵が登場します。ビビ&カルー、ロビンやフランキーのように仲間になってしまう大転身を始めとし、はっちゃんやベラミーのように紆余曲折を経て友達になるパターン、バギーやクロコダイルのように(一時的に)共闘関係を結ぶパターンなども結構見られます。ワポルやモリアのようにしぶとく登場し続けるケース、表紙連載で別の人生を見つけるケースなどもあり、様々ですね。倒された敵は即退場、とはならず再起の機会を与えられるのが、ワンピースのストーリーの面白さの一つです。

しかし、アーロンにはそれは許されてはいません。悪行の度合いからしたら彼を上回るキャラも多いはずですが、彼が他と決定的に異なるのは、仲間の大切な人を直接手にかけたという点です(赤犬も同じと言えますが、元々倒されていないので例外とします)。ワポルやスパンダム、スパンダインなどもそれぞれかけがえのない人を奪う役を演じましたが、「直接」とまではいきません。極めて特別なケースであるアーロンの、この最悪の印象はどうあがいても覆ることはないでしょう。

魚人島編で魚人と人魚達の過去話が描かれ、アーロンの過去も明らかとなりましたが、その時点で既に彼は「出来上がって」いました。同胞達がコアラと交流する中でも、独り心を開かず人間を憎み続けるという、ある意味損な役回りを務めています。人間のせいでタイガーを失ったことも、彼の人間に対する憎しみを大きくさせたには違いないでしょう。しかし、彼はそれ以前に、何か憎しみが生まれるきっかけとなる経験をしたようです。個人的な出来事かもしれませんし、周りの怨念の影響かもしれません。そこまでは描かれることはありませんでしたが、ヒールに徹した彼のキャラとしては、必要のないことだったということでしょうね。

物語の今後にも、アーロンが再登場する可能性は極めて低いと思われます。しかし、ワンピースの中での凶悪なキャラとして、彼の存在感はいつまでも薄れることはありません。負の部分を一手に引き受け、見事に悪役を演じ切った彼には、心より拍手を送りたいと思います。

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