アイサやチャボにはなれなかった「Mr.ビーンズ」

ウイスキーピークの賞金稼ぎの一人であるMr.ビーンズ。幼くしてバロックワークスの一員である彼について、少しだけ見ていきたいと思います。

ワンピースの物語中には、小さな子どももたくさん登場しています。名前を紹介されたキャラだけでなく、名を伏せられた者にしても、ある程度出番があるキャラについては、子どもらしい振舞いで読者の心を和ませくれる、愛おしい存在として描かれています。

しかし、Mr.ビーンズにはそういった描写は見られません。正確にはあるにはあったのですが、実はか弱いふりをするという演技でした。そういう意味では、彼は特別な存在なのかもしれません。

ウイスキーピークの戦闘は、ほぼゾロの独壇場となっています。一対百というハンデマッチをテンポよく描き、ゾロ(と新入り達)の強さを見せつけることで、読者に爽快感を与えてくれました。もし、仮にもう少しここでの話を長くして、他の島のように町の人々の内情まで踏み込んでいく流れだったとしたら‥例えばチャボやアイサのように、Mr.ビーンズの出番は大幅に増えていたのではないかと思います。また、ゾロの言うように「コソクなマネ」が通用する相手でなかったのも、運が悪かったといえるかもしれませんね。

バロックワークスという組織の実態は海賊集団でしたが、ウイスキーピークで海賊を狩るという行為は賞金稼ぎです(王下七武海も権利として認められていますね)。サボテン岩の無数の墓標が意味するのは、バロックワークス結成以前から長きにわたって、賞金稼ぎが行われてきたことでもあります。豊かな土地には見えないこの町で暮らす人々は、こうすることで生きてきたのでしょう。そこで生を受けたMr.ビーンズは、生まれながらにしての賞金稼ぎだった‥のかもしれません(配属されてよそからやってきた可能性も否定はできませんが)。

Mr.ビーンズ、その名前もおそらくコードネームなのでしょう(作中では紹介されていません;「ブルー」で判明)。勤め先を失い、その名前も意味を失いました。しかし、峰打ちで命までは失われなかった彼は、今もあの地で賞金稼ぎとして暮らしていると思われます。「世界の甲板から」で描かれたある賞金稼ぎ一家とかと力を合わせて、必死に生きている姿を想像すると、痛々しくはなりますが、その力強さからは感銘すら受けてしまいます。どうか彼が幸せな人生を歩んでいきますように‥

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