「マザー・カルメル」を悪と言えるのか

ビッグ・マムの恩人であり、巨人族にとっても聖母と呼ばれる存在でありながら、実は裏の顔を持っていたマザー・カルメルについて、見ていきたいと思います。

彼女の名前が最初に登場したのは、四皇暗殺の作戦会議中。ベッジの口から、ビッグ・マムの恩人らしいということが語られます。ただし、娘のシフォンにも詳しいことは分からない、謎の人物とのことでした。

お茶会が始まるタイミングで、写真の中の彼女が姿を見せることになりました。タバコを手にして大きく口を開けて笑う姿は、「マザー」と呼ばれる人物のイメージとは随分かけ離れているなぁ、あのマムの恩人だけに一筋縄ではいかないキャラなのかも‥と思ったものです。

マム(リンリン)の過去話で、ついに姿を現したカルメル。巨人達を救い、孤児達を救う彼女は、まさに聖母の名にふさわしい人物でした。リンリンに対する甘めの対応が気になるところではありましたが、ほめて伸ばすのが彼女の育て方なのだろうと納得します。

食いわずらいを発症させたリンリンと、燃える村を救い、エルバフを去っていったカルメル。しかし、ここで彼女の正体が明かされます。闇の名「山姥」こと、みなし子売りマザー・カルメルが彼女の真の姿でした。彼女がリンリンを大切に守ったのも、金儲けのためだったというわけです。

そしてあの運命の日、カルメルは姿を消してしまいました。彼女の本性を知るのは、商売相手の世界政府(CP)の者だけ。カルメルは素晴らしき聖母として巨人族に語り継がれ、リンリンの心の中で恩人として生き続けることになるのです。

彼女がこのように二面性を持ったキャラとして描かれることになったのにも、理由があるはずです。ルフィ達連合軍側が、たとえ暗殺対象の敵の物とはいえ、恩人と慕う人物の写真を割るという行為への不快感を減らす目的もあったでしょう。正真正銘の善人が悲劇に遭うという流れでは、あまりに救いがない話になってしまう、ということで悪の要素が加えられた可能性もあります。

しかし、人と人との関わりの中で、相手の心の中まで把握して付き合うことなど、簡単にできることではありません。金儲けが目的だったにしても、カルメルの慈愛に満ちた行為への評価は変わることはないのです(売られていった子ども達がひどい扱いを受けていないというのが必要条件ではありますが、そこまでは描かれていない以上、羊の家での彼女の行いのみでの判断にはなります)。少なくとも羊の家の子ども達の暮らしは、笑顔で満ちあふれていました。そこは、虐待とは無縁の明るく温かい場所に思えます。強欲なカルメルが手に入れた金を私欲のために使う、というような描写もなく、むしろ質素に暮らす彼女の収入は、そっくり羊の家の経営にあてられていたのではないか?とも思えてしまうのです。

結果的には、ビッグ・マムという怪物を生み出してしまうことになるわけですから、カルメルに対する評価が悪くなってしまうのは、仕方がないことかもしれません。しかし、純粋な善意だけで生きていくことが難しい世の中では、彼女もきちんと評価されるべきキャラなのでは‥と思わずにはいられないのでした。

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