平和国家の汚れ役、「アゴトギ」

アラバスタの砂商団アゴトギの頭であるアゴトギ。善人の多いアラバスタ王国での数少ない悪人である彼について、少しだけ見ていきたいと思います。

アゴトギが登場したのはビビの過去話の中。王女ビビを誘拐しようとする不届き者として描かれました。いかにも悪そうな面構えで、大人の男数人で襲ってくるわけですから、幼きビビやコーザ達にとっては、恐怖でしかなかったでしょう。

「ワンピース」の作中では、悪者はよそからやってくる海賊(およびそれに等しい存在)であることが多いです(世界政府関係者も少なくありませんが)。善で弱い島の住人達と、悪で強い敵役の間に麦わらの一味が入っていく、という勧善懲悪の流れが基本といえるでしょう。実際はどんな平和国家にも悪人はいるものですが、物語を明快にするには住人達は「善」でまとめておいた方が都合がいいですよね。

しかし、アゴトギ達はその例外となりました。アラバスタという国は、作中でも特別に素晴らしい国家として描かれていると思います。名君コブラに、一味の仲間でもある王女ビビ、過去にさかのぼれば天竜人となることを拒否したというエピソードもあります。そんな国にアゴトギのようなチンピラがいるのは残念なことなのですが、それにはそれなりの理由もあったはず‥と彼がいかに設定されたかを考えてみます。

  • 過去話の中でビビを襲う悪人キャラが必要だった
  • 襲う理由は王女を誘拐するため(ただ幼女を狙う変質者ではまずい)
  • 最初に砂砂団が相手になるためには、少人数で目立たず行動させるべき
  • 王女の顔を知っている=アラバスタの住人もしくは滞在が長い者
  • アルバーナ付近は海からだいぶ離れている

‥といった条件を満たすには、海賊キャラよりも現地のいかがわしい商団がふさわしくなります。砂商団アゴトギはこうして生まれたのかもしれませんね(あくまで個人的な妄想です)。

卑怯かつ、子どもを相手に容赦しない、どうしようもない悪だったアゴトギ。しかし、彼のような悪役キャラがいるからこそ、物語が引き締まるのも確かですので、彼は彼なりにきちんと役割を果たしたということなのでしょう。幸い幼き命を手にかけるまでには至りませんでしたので、しっかり更生して、今は平和国家アラバスタの一住人として、立派に生きていることを願っています。

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